離婚問題用語集 あ・か行

                 さ行 た・な行 は・ま行 や行 ら行

 慰謝料

   離婚原因となる行為をした人に対してする精神的な損害

  賠償請求のこと。離婚するしないにかかわらず、例えば不

  倫や暴力行為といった有責行為をした相手に対して請求す

  ることができる場合がある。 

 氏の変更許可

   離婚しても子供の姓と戸籍はそのままで変わりません。

  親権者となった母親が旧姓にもどる場合は子供と氏が異な

  ることになります。子供が15歳未満なら親権者の母親か

  ら家庭裁判所に許可申立書を提出して申請します。

 

 

 カウンリング(カウンセラー)

  夫婦関係修復や離婚手続きの進め方について、親身になっ

 て相談者の事情や気持ち、考えを全部聞き取ると同時に心理

 学や経験実績から個々の案件を整理する専門家。細かい事情

 や心境までつぶさに相談内容を読み解いて、当事者にとって

 一番いい道すじをコーチングしたうえで必要なら関係機関や

 弁護士などの法律実務家の紹介まで行う。

 家庭裁判所

   当事者の話合いによる関係修復や離婚の合意がうまくい

  かないときに、調停・審判・裁判といった制 度を利用する

  ことができる。裁判の前にまず調停委員や家事審判官によ

  る調停手続きを申し立てることになる。

 監護権者の変更

   親権の一つである身上監護権を行使する者の変更のこと

  で、父母の協議によりできる。協議ができなかったりまと

  まらないときは、家庭裁判所に監護権者の変更の調停・審

  判の申し立てを行います。また、親権者とちがって監護権

  者は戸籍にのりません。

 協議離婚

   どんな理由、原因であっても夫婦が話し合って合意した 

  以上離婚することができます。法律が求める条件に制限さ

  れることなく、離婚届が市町村で受理されれば離婚が成立

  します。

 健康保険の手続き

   夫婦いずれか一方の健康保険の被保険者だった配偶者

  は、離婚後あらためて国民健康保険にはいるか戸籍関係

  にしたがって親が加入する健康保険の扶養家族になりま

  す。また離婚後に就職した場合はその会社の健康保険組

  合に加入することになります。子供は戸籍関係にしたが

  った被保険者になる加入手続きをおこないます。

公正証書(強制執行認諾約款付公正証書)

  当事者が話し合って離婚する場合は、合意内容について、

 強制執行認諾約款付公正証書にしておくのがお勧めです。

 お金の支払いについて、約束が実行されないときは、裁判によら

 ずとも、お相手の給料債権を差し押さえるなどの強制執行ができ

 ることになります。

 

  公正証書は全国どこの公証人役場で作成してもらってもかまい

 ません。 当事者二人が公証人の前で離婚と条件内容について

 離婚協議書などを提出しながら伝えることになりますが、代理人

 により行うことも可能です。

 

  当事者が手続きする場合は、身分証と実印・印鑑証明書を持参します。 離婚協議書などの合意内容をまとめたものを提出したほうが便宜です。

 

  代理人による場合は以下のものが必要です。

 1.委任状

 2.当事者の印鑑証明書

 3.代理人の実印と印鑑証明書

 4.代理人の身分を証するもの

 

  公証人手数料については、お金についての取り決め額によって

 あらかじめ決められた手数料を印紙によって支払います。詳しく

 は公証人役場のホームページで閲覧できます。

 国民年金の変更手続き

   会社員の夫と扶養されている妻とが離婚する場合、国民

  年金の第2号被保険者である元夫においては変更手続きは

  不要です。第3号被保険者であった元妻が会社に就職する

  場合は会社の厚生年金に加入する手続きをします。元妻が

  就職しなかったり親に扶養される場合は、国民年金の1号

  被保険者となる変更手続きを市町村役場窓口で行います。

 子供の姓と戸籍の手続き

   離婚手続きをしただけでは、子供の姓や戸籍は何も変  

  わりません。子供の姓を変更したいときは親権のある親  

  の側から家庭裁判所に子の氏の変更許可の申し立てをし

  ます。したがって親権をもっていることががこの場面で

  も重要なのです。子供が15歳以上なら子供自身が申し

  立てることになります。許可がおりたらそれを市町村の

  戸籍課へ届出します。

  

   次に、離婚のとき親がつくった新戸籍に子供をいれる 

  には戸籍課に入籍届をします。旧姓に戻る場合でも親が

  子供と戸籍を同じにするには、離婚に際して新戸籍をつ

  くる必要があります。 実家の戸籍に子供を入籍させる

  ことは出来ません。

 婚姻費用の分担(請求)

   結婚生活上でかかる費用のこと。日常生活費、医療費、  

  交際費、衣食住費、子供の生活費などが含まれる。夫婦が 

  同じレベルの生活ができるように扶養する義務がある。

 

   別居中でも扶養義務があるため婚姻費用の負担を請求す

  ることができる。別居のいきさつ、有責原因がどちらにど

  れくらいあるか、夫婦関係破綻の程度や当事者の収入状況

  などに配慮して、当事者間で合意できない場合は家庭裁判

  所へ婚姻費用の分担請求の調停を申し立てます。

 財産分与(請求権)

   婚姻中に得た収入や合意して購入した財産などの資産 

  は夫婦共有の財産とみなされます。財産分与の請求は離

  婚後であってもできますが、その場合は離婚成立から2

  年以内にせねばなりません。また離婚条件の一つとして

  離婚前に決めることが大事です。

 

  財産分与の中身はおおよそ4つになります。

  1.精算  共有財産の清算

  2.慰謝料 離婚慰謝料を財産分与に含めることも可

  3.未払いの婚姻費用

  4.経済的に弱い立場の配偶者への扶養費の支払い

 児童扶養手当(請求)

   母子家庭向けの福祉政策。 父親と生計を共にしない児  

  童を扶養している女性の生計を維持・援助する目的のもの

  で、市区町村役場の児童課で申請して請求する。

 

  添付書類

  1.請求する者の所得証明書

  2.住民票の写し

  3.戸籍謄本

 親権(親権者)

   未成年の子供については親権者を決めねばなりません。   

  親権とは財産管理権と身上監護権のことです。財産管理権

  とは文字通り子供の財産を管理したり契約などの法律行為

  を代理する権限です。 身上監護権は現実に身の回りの世

  話や教育・しつけなどを行う権限です。身上監護を行う者

  を親権者とは別に決めることもできます(監護者)。 その

  場合は親権者は財産管理権のみの権限となります。

 生活保持義務

   よく別居期間中の生活費を請求することができますか?

  という質問をうけます。離婚が成立するまでは、別居して

  いても生活が困窮する状態は扶養義務にしたがい認められ

  ません。したがって、夫婦としての同じレベルの生活がで

  きるように生活を保持する義務があり請求することができ

  ます。生活をする上での婚姻費用の中には、日常の生活費 

  子供の生活費 医療費 他 衣食住にかかるものが含まれ

  ます。話合いで決まらないときは、家庭裁判所に婚姻費用

  分担請求の調停を申し立てます。

 調停

   当事者同士の話し合いがうまくいかない場合や調停に 

  持ち込んで第三者の判断を加えたほうがよいと考えられ

  る場合、家庭裁判所に離婚調停の申し立てをして、調停

  委員や家事審判官に問題点を整理してもらって、話の方

  向を示してもらうことができます。

 

   日本では最初から裁判手続をすることはできず、必ず

  調停の申し立てが前提になります。

  

   また離婚方向ばかりではなく、夫婦関係を調整してく

  れる円満調停というものもあります。また、法律上の離

  婚原因がない場合でも調停を利用できることは協議離婚

  と同じです。

 

   調停では親権者、監護者、養育費、財産分与、婚姻費

  用の分担、慰謝料、面会交流といった離婚に関係する条

  件を同時に示してもらうことができます。

 

   調停のスケジュールは、だいたい1~2カ月の間に一 

  回のペースで進行します。

 

   調停では弁護士をたてる必要はありませんが、以下の  

  ような場合は例外的に弁護士をたてた方がよいでしょ

  う。

 

  1.お相手が弁護士に依頼している。

  2.これまでの経緯事情が複雑で、裁判に進展すること  

    が予想できる。

                      

             

 年金分割

   厚生年金・共済年金の分割の手続きは、大きく二つに分け 

  られます。

   

   一つは、平成20年3月以前の保険料納付額についての分割請

  求です。これについてはお相手との合意で分割割合を決めます。  

  決まらないときは裁判所手続きによって決定してもらいます。 
  この場合の分割割合は上限が5割です。
  

   二つ目は、平成20年4月以降の保険料納付額については、請

  求により自動的に二分の一の分割割合になるというものです。

   年金分割請求は、離婚のときから2年以内に年金事務所におい

  て行う必要があります。 また平成20年3月以前の分について

  分割請求すると、4月以降の分についても同時に請求したものと

  みなされます。

 

     

破綻主義

  実質的な婚姻生活(夫婦関係)が実際失われており、関係修復

 の見込みのない状態にあるとき、当事者の将来のために離婚を認  

 めるという裁判所の立場。 離婚原因をつくった側からの請求によ

 って認められることもある。

 

  ただし、離婚の結果 相手が過酷な状況におかれるおそれがある

 場合や義務教育中の子供がいる場合は認められません。 

 別居

   方法を間違わなければ、別居によって夫婦関係問題を解決する方

  向で前進させることが出来ることがあります。

 

   別居は期間が長くなると、離婚の可能性が高まります。 また、

  別居中であってもお互いの扶養義務がありますので、婚姻費用の

  分担義務があります。

 

  注意

   1.離婚に向けてなのか、関係修復のためか、緊急避難の目

     的なのかをはっきりさせる。

 

   2.お相手に自分の目的を必ず伝える。

 

   3.別居後、急いで話を進めないこと。

 

   4.別居期間中の生活費の手当は事前に準備する。

  

 面会交流権(面接交流権)

   監護権を持たない(同居しない)親と子供とが面会して、交流  

  をもつための権利とその取り決めのことです。 面会交流権は

  子供の利益や福祉のための権利ですから、同居側の親は原則

  として、面会交流を妨げることはできません。

 

   面会交流については、当事者の協議で決めることになります

  が、まとまらない場合は家庭裁判所に申し立てて調停・審判に

  より決めます。

 

   また、子供にとって不利益となったり、マイナスの影響を与え

  るおそれがある場合は、面会交流の制限調停の申し立てをす

  ることもできます。

 

   面会交流が制限されるのは、例えば以下のような場合です。

 

  暴力をふるう アルコール依存 刑罰を受けるような著しい不行

  跡 子供が望まない 子供と勝手に会う 面会により子供に悪

  影響がでる。

 

   面会交流についての取り決めは、離婚の際に、回数 時間 

  場所 方法などを具体的に決めるようにします。 離婚後に決

  めることは好ましくありません。   

   

有責配偶者(からの離婚請求)

   離婚原因をつくった側(例 暴力をふるった、浮気をした)からの

  離婚請求も認められることがあります。 関係が修復不能な程度

  に破綻しているものなら、当事者の将来のために有責側からの離

  婚請求を認めるという、裁判所の破綻主義という立場です。

 

   ただし、離婚により相手が過酷な状況におかれるおそれがある

  場合、又は義務教育を終えていない未成熟の子供がいる場合は

  請求は認められません。

養育費

  子供が自立するまでに必要な費用全般のこと。 対象は衣食住、医療、文化教育、娯楽、交通に要するもの。 注意すべきは子供が持つ固有の権利であるということです。 したがって、親権があってもなくても、子供と同居・別居の別にかかわらず、父母は各々の資力に応じて養育費を負担する義務を当然に負います。

 

 支払いは分割払いの場合が多く、毎回の支払額、方法、期間等について細かく具体的に取り決める必要があります。

 当事者の話し合いで決めるのなら、合意内容は強制執行認諾約款付の公正証書にしておくことがお勧めになります。

 

 養育費の額の目安としては、離婚訴訟で目安とされる養育費算定表が参考になります。

離婚協議書 

  当事者間で話し合って離婚するときは合意書(離婚協議書)をつく

 って、双方で保管することがお勧めです。 内容としては以下のよう

 なことがあげられます。

 

 1.合意して離婚すること。

 2.財産分与

 3.慰謝料

 4.養育費

 5.親権者 監護者

 6.同居しない親との子供の面会交流

 7.離婚後の氏の変更・不変更(ただし相手の同意は不要)

 8.いつ離婚届を提出するか、どちらが提出するか

 

 お金についての取り決めがある場合は、強制執行認諾約款付

 公正証書にしておくべきでしょう。

 

  なお、納得して合意書に記載した場合であっても、そもそも

 その内容は違法であって無効になることがらがあります、以下の

 例です。

 

 9.子供の養育費請求権の放棄・拒否

10.子供の面会交流権の放棄・剥奪

11.将来において親権変更の申し立てをしないこと

12.条件付、期限付で親権者の変更をすること

13.離婚後に婚姻中の姓を使用しないこと

14.違法な効率の延滞利息を設けること

 

離婚原因

  話し合ってする協議離婚や離婚調停・審判とはちがって、離婚

 裁判は法律にさだめた離婚原因がないかぎり離婚請求は認められ 

 ません。 法律に定める離婚原因は以下のようです。

 

  1.配偶者に不貞な行為があったとき

  2.配偶者から悪意で遺棄されたとき

  3.配偶者の生死が3年以上不明なとき

  4.配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがない

  5.その他婚姻を継続しがたい重大な自由があること

 

  なお、

  2.については生活費を渡さない、同居を拒否する、家事をしな

    い等の例があります。

  5.には以下のような例があります。

    ギャンブル 浪費 金銭トラブル 暴行 虐待 精神的虐待

    性格の不一致 性的関係の不一致 家族との折り合い 等

 

離婚調停

  夫婦関係調停の申立て(離婚を求める夫婦関係解消、関係を 

 仲裁する円満調停)は、原則相手の住所地の家庭裁判所に調停

 申し立て書を提出して行います。 当事者以外の第三者が申し

 立てをすることはできません。

  

  用意するもの

   1.戸籍謄本

   2.破綻の経緯を時系列でまとめた資料、証拠類

   3.印鑑

 

  申立て書に記載すること

   4.申し立ての趣旨

   5.申し立ての実情

   6.動機

 

   5.には別紙のとおり として、事情を詳しく記した別紙を添付

   します。 証拠類も同時に提出します。

   さらに、申し立てた後でも、陳述書や証拠を提出して調停委

   員の理解を求めることができます。

 

  調停申し立て費用

   7.郵券代 約800円

   8.収入印紙代 1200円

 

  心得

   9.調停の申し立ては離婚裁判とは違って、法律上の離婚原

     因は不要です、 有責側からの申し立ても認められます。

 

  10.当事者が納得の上の合意をめざして、調停委員が調停案

     を示しますが、やはりここは勝ち負けを争う現場と考えてく

     ださい。 いかに、調停委員に経緯と現状と主張をうまく伝

     えて、委員のよい心証を得られるかがポイントです。

 

  11.原則的には、当事者は別々に調停委員と面談することに

     なるよう、家庭裁判所の方で配慮があります。

 

  12.調停はおおよそ一月半に一回のペースで期日を設けて進

     められます。 最初から大事な点、例 親権等 について

     合意が得られる見込みがない場合をのぞき、4回目の期

     日(つまり6カ月ぐらい)がヤマになります。

 

  13.申し立ての取下げ、 調停案の拒否は自由です。

     合意が得られないとの判断が委員においてなされると、不

     成立として調停は終了します。 家庭裁判所での手続きを

     引き続き希望するなら、再度の申し立て(委員は交代する)

     をするか、離婚訴訟を選択するかです(まれに審判にかか

     る場合があります)。

 

  14.調停案に納得して合意があると、調停が成立します。

     調停委員、審判官(裁判官)、書記官によって調停調書

     が作成されます。 調停成立の日に離婚は成立しますが、

     その日から10日以内に離婚届と調停調書の謄本を市区

     町村の戸籍課に報告的に提出します。 

離婚届の心得

 1.本籍地、住所地 他どこの市区町村の窓口でも受け付け

   る。

 2.離婚と同時に転居するなら、その新しい住所を離婚届の住所

   欄に記入する。

 3.未成年の子供がいる場合は、親権者の取り決めない場合は

   却下される。 また、監護者についての取り決めは離婚届の

   記入事項ではない。

 4.話し合って離婚する協議離婚の場合だけ、証人の自署による

   記入と押印が必要。

 5.結婚時に入籍した配偶者は、離婚によって除籍されるため、

   実家の戸籍にもどるか、あたらしい戸籍をつくるかをあらかじ

   めきめておいて、その本籍を記入する。

離婚の際に称していた氏を称する届

  親元の戸籍に戻る場合は親と同じ姓にもどるしかありません。

 新戸籍を作る場合は、婚姻中の姓と旧姓を選択することができま

 す。 婚姻中の姓を名乗りたい場合は、離婚届の提出と同時か、離

 婚した日から三カ月以内に 「離婚の際に称していた氏を称する届」

 をあたらしい本籍地の市区町村の窓口の提出します。

  

  本人の署名押印のみ必要で、理由やお相手の同意は不要です。

 しかし、姓は一度きめると、その後の変更は困難になるので、慎重

 に判断する必要があります。